今回も、引き続き、人身の自由(身体の自由)について書いていきたいと思います。
不正調査をした結果、最終的に刑事事件に発展する場合があります。その前提として、不当な拘禁を防止し、被疑者の保護を図るため、憲法第34条では以下の規定が存在します。
第34条
何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
ここで、抑留とは、
「身体の拘束のうち、一時的なもの」で、刑事訴訟法に言う逮捕、勾引に伴う留置(注1)
がこれに該当します。
また、拘禁とは、
「身体の拘束のうち、継続的なもの」で、刑事訴訟法に言う勾留、鑑定留置(注1)
がこれに該当します。
そして、刑事訴訟法でも勾留理由を開示する条文が規定され、被疑者の人権の保護が図られています。(注2)
注1:憲法 第4版(岩波書店 芦部信喜・高橋和之)より
注2:刑事訴訟法
第82条
勾留されている被告人は、裁判所に勾留の理由の開示を請求することができる。
○2 勾留されている被告人の弁護人、法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族、
兄弟姉妹その他利害関係人も、前項の請求をすることができる。
○3 前二項の請求は、保釈、勾留の執行停止若しくは勾留の取消があつたとき、
又は勾留状の効力が消滅したときは、その効力を失う。
第83条
勾留の理由の開示は、公開の法廷でこれをしなければならない。
○2 法廷は、裁判官及び裁判所書記が列席してこれを開く。
○3 被告人及びその弁護人が出頭しないときは、開廷することはできない。
但し、被告人の出頭については、被告人が病気その他やむを得ない事由によつて
出頭することができず且つ被告人に異議がないとき、弁護人の出頭については、
被告人に異議がないときは、この限りでない。
第84条
法廷においては、裁判長は、勾留の理由を告げなければならない。
○2 検察官又は被告人及び弁護人並びにこれらの者以外の請求者は、
意見を述べることができる。
但し、裁判長は、相当と認めるときは、意見の陳述に代え意見を記載した
書面を差し出すべきことを命ずることができる。
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Kip Stockton (水曜日, 01 2月 2017 14:04)
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