マスコミ用語と刑事訴訟法上の用語の違い


  先日までのタイトルに被疑者(容疑者)と書いていましたが、これは、刑事訴訟法上の用語とマスコミ等の報道で使用される用語の違いになります。

   刑事訴訟法などの法律用語と、テレビ、新聞、雑誌などのメディアで使用される用語では、実は違いがあり、法律を学習する上で、混乱が生ずる可能性があります。
 
  ざっと、思い当たるだけでも、下記のような用語が存在しています。
 

刑事訴訟法などの用語

マスコミ用語

被疑者

容疑者

被告人

被告

勾留

拘置

再逮捕(同じ事案で釈放後逮捕)

再逮捕(別の容疑で再び逮捕)


 まず、「被疑者」という言葉は、刑事訴訟法上の用語で、「容疑者」という言葉はマスコミ用語です。
また、犯罪に関する裁判の記事を見ますとテレビや新聞などの報道では、「被告」という言い方をしていますが、「被告人」が正しいいい方です。
「被告」という用語は、本来であれば民事訴訟法上の用語になります。
これは、紙面のマスの関係でそういう言い方をするようになったのかもしれませんね。
刑事訴訟法では、「勾留」用語を使用しますが、我々がニュースで見る言葉は「拘置」といった言葉を見ますが同じ意味で使用されています。
これに対して、再逮捕という言葉も使用しますが、刑事訴訟法上の用語と、メディアや媒体で使用される言葉は若干意味が異なります。
刑事訴訟法上は、再逮捕も、同一の被疑事実で2回逮捕するような場合を意味しています(刑事訴訟法第199条第3項参照)。
 
 これに対して、マスコミの方は、死体遺棄で逮捕し、その後殺人の容疑で「再逮捕」した。という書き方をしたりしますが、刑事訴訟法上、厳密には「再逮捕」ということにはなりません。
 
 逆に言えば、これらの言葉を正しく使うことができるかどうかで、刑事訴訟法を学習したことがあるのかないのかがわかることになります。
 

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