第三者調査委員会は別名外部調査委員会と呼ばれることもあります。典型的な調査委委員の構成メンバーは法律の専門家2名と会計士で構成されます。
大企業になると、法律の専門家は、一人は弁護士で、一人は元裁判官や元検察官である場合があります。
これ以外にも、大学の教授や、マスコミ関係者などが加わる場合もあります。
〔第三者調査委員会設置に際して注意すべきこと〕
第三者調査委員会で注意しなければならないのは、「だれのために働くのか」ということです。
公認会計士の場合、監査報告書の意見表明を行うに当たって、たとえ、会社から監査報酬をもらっていたとしても、会社から独立性を常に意識して仕事をしているため、あまり問題はないのですが、弁護士の場合、常に依頼者のために働くことを目的としていることが多いため、ついつい、直接の依頼者である取締役や取締役会のために働くという意識が働いてしまいます。
企業不祥事の場合、抽象的な言葉でいえば「ステイクホルダー」ということになります。ステイクホルダーは、利害関係者という言い方もし、その範囲は広範で、株主のみならず政府、従業員も含むといわれますが、その中心は、やはり、株主、投資家になるのではないかとおもわれます。